ビッグモーターの幹部らが、店舗の状況を点検する環境整備点検の映像を入手した。
FNNが独自に入手した、ビッグモーターの幹部が環境整備点検に訪れた際の映像。
映像に映る店内には、緊張した空気が張りつめていた。
店舗前の街路樹が枯れるなど、ビッグモーターが抱える問題の温床とされる環境整備点検。
その点検を行う幹部一行の中心にいたのが、兼重宏行前社長の長男・兼重宏一前副社長。
2021年、西日本の店舗に環境整備のため訪れた宏一前副社長を出迎えた元従業員のAさんは、印象を「(見回り中も)なんか結構スマホいじったりとか、自分からは手を下すタイプではないのかと思う。側近にかわりに言わせるみたいな感じ」と語る。
現役社員のBさんは、「面と向かっては言わないです。冷徹な人。スタッフを人間だと思って接してくれない印象」と話す。
動画では、到着を待ち構えていた店舗スタッフ一同が、広い店内でも響き渡るほどの大きな声を張り上げ、宏一氏ら幹部一行を出迎える様子が。
環境整備では、この最初の出迎え自体が、スタッフの今後を左右するとBさんは話す。
現役社員・Bさん「まず黒塗りの車で来ますので、店長が走って来店お出迎えないと、その時点で0点です。もしくは店内に入ったときに大声で全スタッフごあいさつができないと、もう機嫌を損ねて店長解任という状況になります」
幹部の出迎えが問題なく終了すると、いよいよ環境整備点検に。
店舗や周辺の清掃状況などが、くまなくチェックされたという。
元従業員・Aさん「環境整備点検というのは、一般的な大掃除のチェックみたいなレベルではなくて、歩道に枯れ葉1枚でも落ちていたら0点というのが衝撃だった」
元従業員のAさんは、環境整備をクリアするために、付近の歩道に除草剤をまいただけでなく、木の枝を折ったりもしたと証言する。
元従業員・Aさん「木の幹に新しい木の枝が生えそうになっていたら、それを手で折ったり。環境整備点検のためなら何をしても許されるという風潮があった」
元従業員のAさんは、この環境整備をビッグモーターにおける「踏み絵」だと振り返り、宏一前副社長の存在は「絶対だった」と語る。
元従業員・Aさん「“踏み絵”ですよね…。ビッグモーターで生き残るかどうかの。できなかったらその時点で“ハイさよなら”という。(宏一)副社長、(宏行)社長は絶対だと経営計画書に記載があるんですけど、(宏一)副社長の方が影響力があった」
一方、現役社員のBさんは、兼重親子が退任したあとも上層部の方針は変わっていないのではと指摘する。
現役社員・Bさん「社長が変わったということだけで、副社長の下にいた本部長と常務は解任されていないので、特に何も今後は変わらないのかなと」
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