【聞きたい】台風7号近畿に接近 あす上陸し近畿地方を縦断する見込み 今後の進路は? 台風による暴風雨警戒 スマホの充電・熱中症対策も忘れず備えを【関西テレビ・newsランナー】

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強い勢力の台風7号。近畿地方に接近し、大きな影響が出ることが確実な状況になっています。台風の今後の進路や注意すべきポイントなど、片平敦気象予報士が解説します。

【片平敦気象予報士】
台風7号、14日夕方時点で強風域が近畿地方の南半分ぐらいをすっぽりと覆っている形です。風速25メートル以上の暴風域は和歌山県のすぐ南まで来ていて、14日夜にも南から近畿地方で暴風域に入る状況です。

14日夕方以降の進路ですが、さらに北上を続けて、15日には近畿地方を縦断していく可能性が高くなっています。近畿直撃のコースになりますので、雨や風が非常に強くなって、急激に荒れた天気になるおそれがある見通しです。

拡大すると台風の予報円はまだ大きく、東西にブレがあります。どのコースをとっても近畿地方直撃になります。一番東側のコースだと三重県の方から近畿地方に入ってきますし、逆に一番西側のコースだと紀伊水道きわの海上を通り、淡路島あたりを通って兵庫県の方へ進んでいくルートもありえます。どのルートでも危険なことに変わりありませんが、特に怖いのが1番西側のルートで非常に心配です。台風は海水温の高いところ通ってきて、そのエネルギーで発達します。上陸すると比較的衰弱していきます。一番西側のルートで海の上を通っていきますと、弱まらないままダイレクトに大阪のすぐ近くにきます。さらに台風の風は時計と逆回り風が吹いていますが、例えば淡路島の近くまで来ると南風が強く吹いて、南に開けている大阪湾に向かって風が吹いてくることになり、強い風が海から陸に吹きやすいですし、さらに海水が一気にグッと押し寄せてくる形になって高潮や高波のおそれがあります。一番西側のルートが、特に大阪において最悪のパターンをもたらす進路です。

もう1つ言うと台風は普通の雨に比べると 雨や風の強い部分、いわゆる嵐の部分がぎゅっと凝縮しています。15日の朝の時点で『まだそんなに風が強くないじゃないか』と思う方もいるかもしれませんが、直撃コースになった途端に急に雨や風強まります。警報は急に強まることも見越して早めに発表されていますので、油断しないで、早め早めの対応を取ってください。

14日夜、南の方から台風本体の発達した雨雲が近づいてきますが、その湿った風がぶつかる紀伊山地の東側を中心に特に雨量が多くなりそうです。それから台風の北上に伴って、近畿北部や中部にも強い雨が予想されてきます。台風本体が近づいてきますので、南部だけではなく、北部や中部でもかなりの量の大雨になることに気を付けてください。

予想される雨の量は、15日昼までの24時間に、やはり南の方が特に多く、近畿南部の多いところで350ミリ、その後さらに追加で16日昼までの24時間に200ミリから300ミリぐらいと予想されています。南部で雨が多くなるのはもちろんなのですが、北部や中部で250ミリとか300ミリという予想があり、もともとそんなに雨が多くない地域でこれだけ降ると、その地域としてはとても多い量となります。本来8月1カ月かけて降る雨の2倍か3倍ぐらいの雨が、これからの2日ぐらいで降ってしまうおそれがあります。そうなると川があふれたり、山が崩れたりするおそれがあります。雨量が一番多い南部ではなく、北部や中部で災害が起きてしまうことが十分考えられます。北部、中部の方は南部より予想雨量が少ないからといって油断しないでください。

今後の雨と風についてまとめます。図の上の段が雨で、下の段が風で、特に警戒すべき時間帯を赤で表しています。南から北に、だんだんと危ない時間帯がずれてきている様子が分かるかと思います。

注目していただきたいのは一番早いところ、近畿中部や南部の風のところが、14日午後6時から赤くなっています。このあとすぐ近畿中部や南部の海上では風が急激に強まって、非常に危険な状況になるおそれがあります。暴風の中での避難は本当に危険を伴いますから、安全な場所に避難を考えている方は、とにかく早めに明るいうちに避難することがポイントかと思います。

その後、北部の方では15日夜になってもまだ雨や風が強いような状況が続きます。15日は終日危険な状況が続くと思いますので、不要不急の外出は控えて、できれば家の中あるいは安全な場所に身を置いて、台風をやり過ごす1日にしていただければと思います。15日の日中はほぼ全ての地域で警戒すべき赤い状態になっていますから、15日の明るくなってからでは遅いと思ってほしいです。

台風が直撃する前に、すぐにでもやっていただきたい「備え」をまとめます。
・側溝の掃除
・植木鉢などは室内へ移動
・窓の補強
・スマートフォンを満充電に 停電の恐れもあります
・熱中症対策 ポータブル扇風機などの充電を
・生活必需品の備蓄 15日は外に出られない状況もありえます

植木鉢などが強風で飛ぶと、人に大きな怪我をさせたり死亡させてしまい、加害者になることもあります。15日の屋外は本当にそういう危険な状況になりますので、加害者にならないためにも危険な物は必ず室内にしまってほしいです。

あと停電となるとスマートフォンが使えなくなり、情報が入ってきません。電気が使えるうちにスマートフォンを充電し、携帯用バッテリーをお持ちの方は充電されているか確かめておいてください。

ここで関西テレビ「newsランナー」視聴者から質問です。
「Q.電車が止まると、出社に徒歩で40分かかります。カッパと長靴で行って大丈夫ですか?
【片平敦気象予報士】
大丈夫ですとは言えないです。可能であれば15日はお仕事を休んだ方がいいような気がします。ただの中にはエッセンシャルワーカーの方など、どうしても行かなくちゃいけない方もいらっしゃると思うので、そういう方は可能ならばあまり被害が出る前に 安全な場所に前もって泊まっておくのが1つの手かと思います。会社の管理職の方や経営者の方にお願いしたいのが、個人の判断で『明日会社行きません』と言えないことも多いですので、指示できる立場の方が『明日来なくていいよ』『テレワークしていいよ』と通知しておくというのも1つのポイントかなと思います。

「Q.和歌山県で停電・断水・ガスの停止などが起きる可能性はありますか?」
【片平敦気象予報士】
十分あると思います。特に風が強い台風がやってくると、倒木や電柱が倒れたりして停電してしまうということもあります。そうなった時には風がおさまるまで復旧作業がなかなか難しいので、長期化する恐れもあります。そういう事態に備えてスマートフォンの充電や、予備バッテリーの充電など早めにしておいていただきたいです。

【片平敦気象予報士】
14日夕方時点で、 和歌山県、奈良県の一部地域に避難指示が出ています。避難に時間がかかる方だけではなくて、すぐ逃げられる方も全員避難してくださいというのが、この避難指示です。おそらく台風の接近と、日没を迎えるので日が沈む前にということを意識して、各自治体が早めの避難指示を出したのではないかなと思います。

避難するなら暗くならないうちに、明るいうちがひとつのタイミングです。特に小さいお子さんとかお年寄りがいらっしゃる家庭は、夕方のうちにどうするか判断のタイミングだと思いますので、お気を付けいただきたいと思います。

関西テレビ「newsランナー」2023年8月14日放送

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メインキャスター:吉原功兼
情報キャスター:竹上萌奈・谷元星奈・橋本和花子
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気象予報士:片平敦
解説デスク:神崎博・加藤さゆり

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